追憶

たまたま手にとって読んだバンジャに載っていた、あるプロの方の学生時代の失敗談を読んで同じ体験を思いだした。同じというか、レベルの低い、単なる合奏中の辛い記憶。トラウマまではいかないけど。
記事にもあったように、なんでよりにもよってDなんだ!!とずっと悩んでいた。音程も非常に悪かったし、なによりpの指示って作曲者アホじゃないの!?と思ってました。
当時も大変下手くそな私にとって合奏は地獄だった。やってもやっても合わないし、周囲の先輩や後輩、何より同期からの白い目が痛くて。ここしか居場所がない、夢を叶えるために入部した自分だったけど、下手な奴に人権はなかった世界だったので、本当にキツい毎日。必死に練習しても全然上達の気配はなかった。


結局ダメな奴の烙印が下り、憂鬱とした毎日を送ることになる。全国で金賞を取るまで、気持ちに余裕は生まれなかった。あの時の不安感、恐怖感は今でも拭えない。吹けない奴、下手な奴は最低という世界はある意味今でも私を支配していると感じている。


今やファゴットはクローゼットの中。
そんな世界にまた戻りたい気がわずかばかりある。いつか練習再開を夢見て。